20220829 ☆ エプリー法・・・「良性発作性頭位めまい症」の治療 ☆

 

https://ainu-dog.info/

https://twitter.com/setaiihana

2022/08/29

『よろしければ、YouTube「チャンネル登録」を!』

2007年5月、ネットで探した画像を利用して、本格的にエプリー法を実行して、即座に治った。

嘘のようだった。

浮遊耳石置換法とも呼ばれ、「良性発作性頭位めまい症」の治療法で、自分でもできる。

症状は、枕に頭を降ろしたとき、上にあるものを取るとき、長い歩行でわずかなフラフラ感が出るといった「めまい」だ。

最初は驚くが、症状は限定的で、命に別状はない。

再発もするが、ベッドに寝て頭を傾けると治せる。

日本で最初にエプリー法を紹介したのは、弘前大学医学部耳鼻咽喉科の一條宏明先生で、今は青森県弘前市で開業している。

2006年2月に書かれた先生のサイトを紹介したい。

--------------------------------------------

早いもので、私が医療に携わるようになって20年以上が経ってしまいました。

その間、医学的に最もショッキングだった出来事はアメリカのエプリー先生による論文との出会いです。

直訳すると、「良性発作性頭位めまい症に対する治療の浮遊耳石置換法」という題名なのですが、大げさに言うとその後の私の人生を変えてしまった論文とも言えます。

あれはたしか1993年だったと思います。

恩師の朴沢二郎教授が退官され、私は弘前大学医学部耳鼻咽喉科の講師に昇格し、めまい外来で眼球運動を中心に細々と研究をしていたのですが、さて次に何をやろうかと模索していた時期でありました。

医局で偶然このエプリーさんの論文を目にしたのですが、当時、良性発作性頭位めまい症は耳石器の異常であろうと考えられていたのでにわかには信じられず、「ほんまかいな?」というのが第一印象でした。

この論文の内容を簡単に説明すると、内耳の後半規管の中に卵形嚢からはがれた小さな石が迷入し、それが頭位の変化により動くために異常な内リンパ流動が起きて、めまいと眼振が生じる。

さらに、美容院で洗髪する時の頭位と同様な「懸垂頭位」から連続して頭位変化をさせることによって、石を卵形嚢へ移動させ治癒せしめる、というものでありました。

自分の目で見たものしか信じないという疑い深い陰険な性格の私ですから、さっそく外来でその治療法を試してみました。

すると見事にめまいと眼振が消失したのです。

その後症例を18例蓄積し、有効率が80%以上だったので喜び勇んで論文にし、「日本耳鼻咽喉科学会会報」という、一応日本では最上位の学会誌に投稿したのですが、なぜか最初から掲載不可で帰ってきました。

陰険だが温厚な性格の私もさすがにムカついて、日本耳鼻咽喉科学会をやめようかとも考えたのですが、妻子を路頭に迷わす危険性もあるので、なんとか踏みとどまりました。

しかたがないのでワンランク落として「耳鼻咽喉科臨床」という雑誌に投稿したところ、すんなりと掲載してもらったのでホッとしました。

それ以来、耳鼻咽喉科臨床という雑誌が大好きです。

このエプリーさんという方はアメリカのポートランドで開業している耳科医で、前述の画期的な「浮遊耳石置換法」はずいぶん前からおこなっていたようです。

しかし、学会では全く相手にされず、キチガイ扱いされていたのですが、患者さんの口コミから徐々に評判が広がり、アメリカの専門医講習会に招待され実技指導するようになってから一気に知名度が上がり、おそらく現在では世界で最も有名な耳鼻科医でしょう。

今では世界中から患者さんが押し寄せて来るそうです。

このエプリー法は、私が日本で最初に「平衡神経科学会」で紹介したのですが、なかなか理解されず「マユツバじゃないの?」という冷たい視線を浴び続けたのでありました。

おそらくガリレオも同じ気持ちだったでしょう。

しかし、この治療法は内耳の解剖と病態生理を理解してさえいれば、特別な装置は必要ないので、その後、広島大学や愛知医大などいくつかの大学で追試がなされ、徐々に効果が理解されるようになりました。

2005年の「耳鼻咽喉科専門医認定試験」では、ついに「浮遊耳石置換法」が出題されるまでにいたり、やっと市民権を得たと言えそうです。

なにしろ、以前はめまいの研究といっても病態を探るための検査に関する研究ばかりで、治療に関してはこれといったものはほとんどなかったのですから、このエプリー法は人類史上に残る革命的な発想と言えるでしょう。

その後、私は1997年に開業し、ほとんどメスは捨ててしまい、外科的治療がうまくいった時の喜びを感じることは少なくなったのですが、このエプリーさんの浮遊耳石理論をもとに内耳の病態を想像し、治療に応用することでなんとかリサーチマインドを忘れずにすんでいます。

どんな治療でもそうですが、やはり患者さんが治ってくれるのは嬉しいものです。

--------------------------------------------

------------------------------

フリー音楽素材:(オリジナル投稿者)「甘茶の音楽工房」【2019/04】

「ハープを弾くネズミ」

https://amachamusic.chagasi.com/image_honobono.html

------------------------------

#エプリー法

#良性発作性頭位めまい症

#チャンネル登録_お願いしますね


コメント

このブログの人気の投稿

20140502 ☆ 軽井沢の大賀ホールでマルタによる "MALTA HIT&RUN" (ジャズ) ☆

20220928 ☆ 「乾かぬ」から「乾く」に転じる!・・・洗濯物 ☆

20200407 ☆ 85歳おばあさんの超絶ピアノ!・・・自分の老人ホームで披露 ☆